2010.06.28 (Mon)
二つの祖国 (下)
![]() | 二つの祖国 (下) (1983/09) 山崎 豊子 商品詳細を見る |
賢治の幸せな最後を見たかった。
母なる国アメリカと父祖の国日本の間に立ち、二世である賢治たちに差別の嵐。
戦争の悲劇はたくさん起こったことでしょうが・・・
アメリカの国籍を持っていても、収容所の送られひどい仕打ちにうける日系人。
この差別が戦後も続き、どんなに仕事ができ、人間としてもすぐれていても超えることのできない差別という壁。
精神的にもダメージを受けるが妻に恵まれなかった賢治、梛子に安らぎを感じ、幸せな日々が待っているのかと思っていたのに・・・
梛子の最後の手紙は心に響きましたね「アメリカ人の私が原爆にあい、私はアメリカの敵なのでしょうか」と。
山崎作品に出合っていつも圧倒され読後感でしたが、今回は感傷的になりました。
なんだか山崎作品の最後は主人公の悲劇で終わってしまうのですね。今頃気づきましたよ。
戦犯についての知識も増え考えさせられます。